konnoe’s blog

読書と旅が趣味。人生に疲弊してみたり、希望をもってみたり、、、

1945年8月6日午前8時15分

とはいえ

友よ

向き合った互いの顔を

も一度見直そう

戦火の後もとどめぬ

すこやかな今日の顔

すがすがしい朝の顔を

その顔の中に明日の表情をさがすとき

私はりつぜんとするのだ

地球が原爆を数百個所持して

生と死のきわどい淵を歩くとき

なぜそんなにも安らかに

あなたは美しいのか

しずかに耳を澄ませ

何かが近づいてきはしないか

見きわめなければならないものは目の前に

えり分けなければならないものは

手の中にある

午前八時一五分は

毎朝やってくる

石垣りん「挨拶――原爆の写真によせて」の一部

70年前に広島に原爆投下された今日。

戦争を実際のものとして語れる人がどんどん少なくなってきて、それに比例して戦争の記憶が風化してゆく。

私たちは本当に平和な未来に向けて歩めているのか。

犠牲になった人たちの声を聞けているのか。

石垣りんの詩を読みながら考えている。