2014-08-06 1945年8月6日午前8時15分 雑記 とはいえ 友よ 向き合った互いの顔を も一度見直そう 戦火の後もとどめぬ すこやかな今日の顔 すがすがしい朝の顔を その顔の中に明日の表情をさがすとき 私はりつぜんとするのだ 地球が原爆を数百個所持して 生と死のきわどい淵を歩くとき なぜそんなにも安らかに あなたは美しいのか しずかに耳を澄ませ 何かが近づいてきはしないか 見きわめなければならないものは目の前に えり分けなければならないものは 手の中にある 午前八時一五分は 毎朝やってくる 石垣りん「挨拶――原爆の写真によせて」の一部 70年前に広島に原爆投下された今日。 戦争を実際のものとして語れる人がどんどん少なくなってきて、それに比例して戦争の記憶が風化してゆく。 私たちは本当に平和な未来に向けて歩めているのか。 犠牲になった人たちの声を聞けているのか。 石垣りんの詩を読みながら考えている。 石垣りん詩集 (ハルキ文庫)石垣 りん, 落合 恵子 / 角川春樹事務所 ( 1998-06 )konnoeのバインダーで詳細を見る