konnoe’s blog

読書と旅が趣味。人生に疲弊してみたり、希望をもってみたり、、、

教免持ってる新卒の方へ。講師登録をしませんか?

2018/09/24更新
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教員採用試験の結果が出ているみたいですね。ここに検索でたどりつかれた方々が、どういう状況かわかりませんが、新しい進路を考えなくてはいけない状況の方も多いのでしょう。
私も10年ほど前(もうそんな前か!)、そんな感じだったので、参考までに、私の講師体験を記しておこうと思います。

体験談が欲しい

10年ほど前、大学4回生の時に教員採用試験に落ちて、「社会人、1年目どうしよう」と考えておりました。
「公立の学校の教員になろう」と思っていたので、「もう一度、来年、教員採用試験を受ける」ことは決まっていました。しかし、採用試験の夏まで「就職浪人(?)をしようか」、「もう院に行っちゃおうかとか」、とか、いろいろ考えてました。企業に受かるために就活する気はさらさらなかったんですが。オイオイって感じですよね。結局、講師登録をした後、常勤講師として働くことになりました。その時に、いろんな迷いがあったので、体験談なんかを知りたかったのですが、ネット上には、意外に転がってなくて……。
あの頃は「誰か書いてよ!」と思ってたんですが、なかなか自分が書ける立場になると、忙しさにかまけて書かないもので…何年後しかで記事にすることにしました。


講師になるべきか?

私は、大学4回生の10月頃に講師登録をしたように思います。(今の時期と違うかもしれませんので、自分で調べてくださいね。)まず、この時点で、自分の能力に自信がなく本当に講師登録をすべきかどうか迷いました。結局、講師登録に踏み切った理由は


・私の場合、働かなければ生活が堕落するに決まっている。
・講師経験をしていれば、きっと採用が有利になるんじゃないか……(あくまでも推測)

というわけで、2つの自治体に講師登録することにしました。




講師依頼の電話がかかってきた!

講師登録をして数か月……「いつまでも電話が来ない!」と思っていたら、3月の終わりに講師依頼の電話がかかってきました。現場にいる人なら知ってると思うんですが、講師っていわゆる数合わせなので、ギリギリにしかかかってきません。「かかってこなかったら、年度始めに仕事探しかよ!」って話ですが、こっちの生活のことなんか考えちゃいないということです。

3月の末までに、トータルで3つの自治体から依頼の電話がきました。(あと、年度が始まったあとの夏休み前に1件。誰か倒れたのか?)教科や校種によっても、違いが出ると思います。数学の先生は引く手あまたでしょう。

自治体の教育委員会の人から電話がくるのですが、待ちに待ってた電話であるにも関わらず、なんと私は1つ目の自治体からかかってきた電話には、パニックになって断ってしまったのです。「新卒の人間に講師なんてつとまるんだろうか。」って、急に不安になったのです。今思うと「何やってるんだ、私…」という感じなんですが、当時は本当にパニックでした。せっかく声をかけてくれたのに、申し訳ない。

あるかわからない就職口を自ら蹴ってしまうバカをしてしまった私は、さらに焦っていくわけです。

 

断ったけど、どうしよう、、、、

気持ちを落ち着けましたが、断ってしまったことへの罪悪感、そして「来年度の働き口がない、どうしよう」と不安にさいなまれました。(自分が断ったくせにね!)
そうやってモヤモヤしている間に(30分後くらい?)もう一件かかってきました。「どうしよう、どうしよう」と相変わらずパニックでしたが、「私は今、就職口がないんだ!」という焦りの気持ちが勝って、イエスの返事をしました。講師として、採用が決まりました。病休の先生の代わりで常勤講師という枠でした。

 

 

決まったけど、まだ不安は続く…でも!

なんとか来年度の働き口が決まりました。しかし、講師依頼を受けたものの、学校が始まるその日までずっと不安でした。「私、卒業していきなり「先生」なんてできるんだろうか?」って。大学の友達で採用試験に落ちた子は、非常勤になる予定の子が多く、「常勤になったら教採の勉強する時間ないから大変」とか「慣れるために非常勤から」と言っていて、もしかして決断をミスってしまったのかもしれないと思っていました。
もし今、私が昔の私に言えることがあるとしたら「常勤講師になると決めた、その決断はグッジョブ!!」と言ってあげたいんだけど、あの頃はずっーと不安でしたね。

 

 

とにかく時間がない!!

「講師として働いている方が、教採では有利になる」と言う人がいるけど、どうかなと思います。今の試験の形がどうなっているのか、イマイチ知らないのですが、今、受けている現役講師の先生方を見ていても単純に講師だから有利とは思えません。私が大学時代に考えていたような「現場の経験があれば…」みたいなことは、ないと思います。残念ながら。

 

もう1つ、残念なお知らせがあるとすれば、現場に入ってみると時間がないというのは、事実です。
現場では、「採用試験の勉強!」などと言ってられません。

私は、1年目、学級担任はありませんでしたが、学校によったら学級担任だってありえます。常勤講師なら、非常勤にはない校務分掌(いろんな事務的な仕事や会議)やクラブ活動もあります。私の場合、何より、授業準備が大変でした。一からの勉強だし。毎日が必死で自転車操業状態。ほとんど採用試験の勉強できずに、夏休みに突入。「いよいよ教採に向けての勉強!」とか思いつつも、クラブと二学期準備と生徒指導でほとんど勉強なんかできず…筆記はボロボロでした。筆記の試験はともかく、面接ならと思ったけれども、講師の特権である現場の知識を生かせませんでした。「講師の経験」って言っても、4月から夏までの経験だし、それにとにかく毎日を駆け抜けている感じだったので、振り返っている暇なんてなかった。だから、面接でも大学生だった去年と同じようなことしか言えなかったんです。案の条、講師一年目は、教採は不合格という結果でした。

それでも私が過去の自分にグッジョブと言う理由

それでも私は常勤講師をしててよかったと思います。勉強する時間はなかったけれども、そこでのたくさんの出会いに支えられて、「教諭」になるために「本気で」勉強するようになりました。
もちろん、それまでも教員になりたかったのは、なりたかったのですが、今振り返ると本気度は低かったように思います。当初は「教員になりたいなら、待遇面を気にしないなら一生、常勤講師でいいんじゃないか?」と、「教諭」である必要性も感じていませんでした。

 

ここで、少し話はそれますが、私は講師時代のことを思い出すたび、ある子(Aとする)を思い出します。Aは傍から見るとしっかり者なんだけど、いろいろ抱えていて私はAの悩みを以前から聞いていました。年度の終わりにA自身に大きい災難が起こりました。いろいろA自身も周りの人間たちも苦労したものの、それ自体はなんとかなりました。その後、私はAに「一緒にこれからも頑張ろうね」と声をかけようと思ったんです。でも、やめました。だって来年は私が代わりをしている病休の先生が帰ってきたら、私はこの学校にはいれないから。別にAは、私がいなくたってちゃんとやっていけるだろうし、卒業したらどうせ離れるんだから「それはそれ」と割り切ればいいし、依存する関係を作るがいいとは思わないんだけど、私自身がその一言を言えない立場であることがとても情けなく思えてきたんです。
そして私はAだけではなくて、今受け持っている子すべてに対して、「そういう立場」なんだと気づいたんです。もちろん教諭になっても、様々な事情で3年間持ち上がりで上がれることは少ないと思いますが、講師である限り、教諭より子どもたちと長いスパンで付き合う可能性は低くなります。

 

 

今、思うこと

そこからの数年は、本気で寝る間も惜しんで必死に採用試験の勉強をしました。で、数年後、合格。私は、あの講師を必死にやりながら勉強した経験も、Aに「一緒に」と言えなかった悔しさも、とても大切だったんだなと今になって思います。(この記事も参考になるかも。)

現場にいると、いろんな経歴の先生に出会います。採用試験受かるために就職浪人した人、大学院を出た人、企業で働いて転職してきた人、非常勤での講師経験がある人…。それぞれの道でいろんな学びをしてきて、だからこそ、それをいかしたそれぞれの持ち味があります。だから、どの道を選んだって間違いではないと思います。

私は、新卒で常勤講師としての道を選びました。まぁ、上にも書いたように「選んだ」なんて偉そうに言えるような流れではありませんが。あの頃は、時間はなく、毎日、満身創痍でしたが(今も?)、私はこの道を選んでよかったなと10年たっても思います。

参考になるかわかりませんが、もし、講師登録を迷っている方がいたら参考にしてください。

 

追記:実は、昨日Aから何年かぶりに連絡がきて、話しているうちにいろいろ思い出してこの記事を書きました。Aに当時の話は覚えておらず、ケロッとしてました。いかに一人で熱くなってたかよくわかる事件でもありました笑