2014-03-27 胃潰瘍になれ「泣ける小説」 読書ライフ 2018/10/8更新 泣ける小説セレクション 泣ける本・感動する本(泣ける本ベスト50) 最近、本屋に行くと、「絶対泣ける!」とか「涙なしには読めない…!」とか「この冬最大の感動作!!」などのポップがあふれていて、 感動のゴリ押しに食傷気味になっていませんか。 けれども、今日は、そんな「泣ける小説」に食傷気味になっている皆様を、食傷どころか胃潰瘍にさせるべく、 「泣ける小説」6冊を紹介させていただきます。 ちなみに、その6冊は、読んだときに「あ、泣けそう」「悲しい!」と思っただけではなく、本当に涙が流れたものだけに絞りました。 その本を読んだ日は、たまたま落ち込むことがあったとか、体調が悪かったとか、ホコリが目に入ったとか、 そんな個人的なことも含まれているかもしれないにも関わらず、あえて「涙を流したもの本」に限定しました。 「なんとなく、泣けそうな本」にすると曖昧になりそうなのでね。 最近は、年々涙もろくなってきています(歳ですね…)どうでもいい変なところでも泣けてきまして。 TV「そのとき歴史は動いた」では2回に1回は泣いてました。 ジブリ映画「耳をすませば」のエンドロールでも泣きました。 この「泣ける小説」も、もしかしたら、私以外には泣ける小説じゃないかもしれませんが、 そんなこと言っても始まらないのでさっそく紹介してみましょう。 泣ける小説セレクション 「ベタだけど、泣ける小説」3冊 1、新美南吉『ごんぎつね』(絵本) 2、宮部みゆき『模倣犯』 3、三浦綾子 『塩狩峠』 私だけしか泣かないかも…編 3冊 4、くすのきしげのり 『おこだでませんように』(絵本) 5、ロバート・ウェストール『海辺の王国』 6、村上春樹『国境の南、太陽の西』 以上、「泣ける小説」」6冊でした。 「ベタだけど、泣ける小説」3冊 1、新美南吉『ごんぎつね』(絵本) ごんぎつね (日本の童話名作選)作者: 新美南吉,黒井健出版社/メーカー: 偕成社発売日: 1986/10/01メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 56回この商品を含むブログ (68件) を見るあ、小説じゃない?ベタすぎるぐらいベタですね。。ずっと一人で生きてきた孤独なごん、母を亡くして一人になった孤独な兵十。二人の孤独さそのものがラストシーンの悲しさをより引き立てていて…、お互いがその孤独を分け合えたら、どんなに幸せだっただろうなんてあらぬ話を考えてみたりしても、どうしようもないんだよなぁ…… 2、宮部みゆき『模倣犯』 模倣犯〈上〉作者: 宮部みゆき出版社/メーカー: 小学館発売日: 2001/03/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 201回この商品を含むブログ (180件) を見る宮部本は結構読んでいるんだけど、泣いたのはこれだけだな。一番ラストのシーン。事件そのものは終わっても、苦しい人生に終わりは来ない。トリックを暴くだけでは終わらず、人間そのものをえぐりとる宮部ミステリーの真骨頂。 3、三浦綾子 『塩狩峠』 塩狩峠 (新潮文庫)作者: 三浦綾子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1973/05/29メディア: 文庫購入: 41人 クリック: 254回この商品を含むブログ (178件) を見る泣ける小説の鉄板。結末がわかっているのに泣いてしまう。泣くのがわかっていたのに、電車の中で(それもまた電車ってところが臨場感があって…)読んでしまったので、ふじ子が泣くシーンで、一緒にむせび泣いてしまったので、回ってきた車掌さんに「お客様大丈夫ですか?」と本気で心配されてしまったのはいい思い出です。 私だけしか泣かないかも…編 3冊 4、くすのきしげのり 『おこだでませんように』(絵本) おこだでませんように作者: くすのきしげのり,石井聖岳出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/06/27メディア: ハードカバー購入: 11人 クリック: 48回この商品を含むブログ (42件) を見る「ぼくはどないしたらおこられへんのやろ。」自分なりに一生懸命頑張っているのに、失敗してまた怒られて、それで泣いたら『泣いたら許されると思ってるんやろ』と怒られ、大人になった今なら適当にできることができなくて、怒られて辛い思いをした幼いころの自分を思い出します。これ、学生の嫌な宿題ランキング上位に入るなんて悪名高い(?)読書感想文の課題図書なんですよ。読書感想文コンクールも捨てたもんじゃないですね。 5、ロバート・ウェストール『海辺の王国』 海辺の王国作者: ロバートウェストール,Robert Westall,坂崎麻子出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 1994/06/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 8回この商品を含むブログ (23件) を見る児童書の古典ともいうべきロバート・ウェストール の本。なんでこうも人生って辛いことばかりなんだろう。ビターすぎる結末でありながら、それでも健気に生きようとする主人公の姿に勇気をもらえる 6、村上春樹『国境の南、太陽の西』 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/10/04メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 230回この商品を含むブログ (285件) を見る私は村上春樹大好きですが、泣いた本はこれだけです。別に泣ける小説でもないんだけど。この小説を読むと私は情緒不安定になるんだと思う。理由はわからないけど。この小説で泣く人間なんて私だけだろうなぁ。「二十歳を過ぎたころに僕はふとこう思った。僕はあるいはもう二度とまともな人間になることはできないのかもしれないと」この文を読むだけで辛く寂しく悲しくなる 以上、「泣ける小説」」6冊でした。 「泣ける」という言葉が大量消費されて、「泣ける」ことがショボいものかのように馬鹿にされるような風潮もあるような気もします。 けれども、誰が何と言おうと、自分の心を揺さぶる「泣ける本」を1冊でも心にしまっておくことは、大事なことだと個人的には思います。 自分の感性はいつまでも瑞々しいものであってほしいなと思う。 また、数年後に新しく追加したいな。 « 春に 池澤夏樹が気になる »