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読書と旅が趣味。人生に疲弊してみたり、希望をもってみたり、、、

2013年 ベスト本

2018/10/08更新

2013年 ベスト本

今更なんですが、去年の読んでよかった本をあげようと思います。 
2013年の読んだ本は、34冊!!

少なっ!グラフにするとこのような感じです。
新規キャンバス

うわぁー、一年に100冊読む目標なのに!メディアマーカーに登録し忘れかな?!
いやいや、そんなことはない。「34冊って一体どういうことよ?!」と去年の自分を正座させてなじってやりたいです。。。
別に多く読めばいいってものでもないとは思いますが、最低限100冊くらいはね……。
去年の読書量がこんなに少なかったのは、同じ本の同じページを繰り返し見たりするのが多かったので、一冊をじっくり読む機会が少なかったのと、
ほかの趣味に割く時間が多くなったのが原因だと思います。

あと、本を並行して読みすぎて、あと数ページという本を抱えたまま年越しを迎えたのも原因かな。

 

でも、数が少なかったわりには、「結構いい本に出会ったなぁ」という印象の一年でした。では、2013年のベスト本、冊ご紹介!

◆小説編

飽きもせず、高村薫村上春樹が好きです。

高村薫『冷血』

冷血(上)

冷血(上)

2002年クリスマス前夜。東京郊外で発生した「医師一家殺人事件」。衝動のままATMを破壊し、通りすがりのコンビニを襲い、目についた住宅に侵入、一家殺害という凶行におよんだ犯人たち。彼らはいったいどういう人間で、何のために一家を殺害したのか。ひとつの事件をめぐり、幾層にも重なっていく事実。都市の外れに広がる<荒野>を前に、合田刑事は立ちすくむ― 人間存在の根源を問う、高村文学の金字塔。

村上春樹色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

高村薫が描く「絶望感」も、村上春樹が描く「人間の脆さ」も、心の固い部分に覆われている柔らかい部分に響く。それが自分にとっていいことか悪いことかは、わからないけど。ぐっとくるんですよ。これだけ自分の心の核に触れる小説を書いている人と同時代に生きているって本当に幸せなことだよね。




平安熱がキタ!

③永井 路子『この世をば〈上〉』

この世をば〈上〉 (新潮文庫)

この世をば〈上〉 (新潮文庫)

少し前から平安時代が舞台の小説が読みたくて、よく面白いとレビューされている永井路子の「この世をば」。「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」と詠んだ、藤原道長の生涯を描いた作品。私の平安食わず嫌い(?)をなくしてくれました。これを学生時代に読んでいたら、古典をもっとしっかり勉強しただろうに。平安って楽しい!絶版でなかなか手に入りにくいのですが、公共図書館などで探したらあると思います。読む価値アリ!です。さぁ、下巻が楽しみだー


◆教育書

④土田 光子『子どもを見る眼: 先生たちへの応援歌』

子どもを見る眼: 先生たちへの応援歌

子どもを見る眼: 先生たちへの応援歌

 『解放教育』の土田光子さんの記事を愛読しており、今でもその記事をとっておいて日々の見返しているんですが、どの記事を何度読んでも学ぶことが非常に多い。この本はその『解放教育』での記事をまとめたものになっている。

 今、教員採用状況は砂時計型になっており、ベテランと若手をつなぐ中堅層の先生がいない(そしてそのベテランもあと数年でどっと抜ける!)。学校現場には多くの先生たちの素晴らしい実践があるのに、それが受け継がれず、若手たちは右往左往している状況である(そして昔はなかった新たな課題も突きつけられ、てんやわんやである)。今、そんな私たち若手の教師が学ぶべきは、巷にあふれる小手先の技術より、ベテランの先生方が持っていた「子どもの背景を見、まるごとその存在を受け入れる」という教師としての在り方だと思う。この本を読んで改めて思う。

 ちなみにこの本は土田先生本人から購入したのだが、文章通りのパワフルで、かつ人間くさくて「ええ人」だった。



◆旅行関連

⑤合田 一道『北海道 地名の謎と歴史を訪ねて』

北海道 地名の謎と歴史を訪ねて (ベスト新書)

北海道 地名の謎と歴史を訪ねて (ベスト新書)

 夏に北海道に旅行する機会にいくつか、北海道に関する本を買った。その中でも特に読みやすくかつ、面白かったのでご紹介。是非、北海道に行く機会があれば直前にさらりと読んでほしい。北海道をさらなる魅力に気付くはず!あーあ、また北海道行きたいな。次は是非、「義経はモンゴルに渡った」伝説や三浦綾子の文学に関係するところに行きたい!



◆心理

 自分を愛することほど簡単なようで難しいことはない。「自分を愛することの大切さ」や「自己肯定感」はいろんな本でよく書かれており、知っているつもりであるが、技術としてどのように自分を愛したらいいかわからない。そんなときにおすすめする2冊。

バイロン ケイティ『探すのをやめたとき愛は見つかる―人生を美しく変える四つの質問』

探すのをやめたとき愛は見つかる―人生を美しく変える四つの質問

探すのをやめたとき愛は見つかる―人生を美しく変える四つの質問

「四つの質問」の方は、何か自分の中のストレスがあるときに、実際四つの質問をして、そのストレスを解放するといい。いろんなものへの愛情がわいてくる。題名がなんとなく怪しげだけど、理論的です。認知行動療法に近いのかな?よくよく見ると水島広子さんの翻訳なので、対人関係療法なのかな?門外漢なんで違いがよくわかりませんが。ワークが主だったので、しっかりワークをしないと意味がない。


⑦西尾 和美『心の傷を癒すカウンセリング366日』

心の傷を癒すカウンセリング366日 (講談社+α文庫)

心の傷を癒すカウンセリング366日 (講談社+α文庫)

 「心の傷を癒すカウンセリング366日 」の方はもともとアダルトチルドレンの人を対象に書かれているが、それに関係なくどんな人でも励まされたり、考えさせられる言葉があると思う。今日の日付のページを見るもよし、開いたページの言葉を見るもよし。1冊を繰り返し読むととすこしだけ自分を愛してあげられるような気がします。

他人を愛するために、世界を愛するために、まず自分を愛してあげよう。(私が言うと胡散臭いけど、大事なことですよね)



◆ノンフィクション

⑧東 ちづる『わたしたちを忘れないで―ドイツ平和村より』

わたしたちを忘れないで―ドイツ平和村より

わたしたちを忘れないで―ドイツ平和村より

 ドイツの平和村を女優の東ちづるが訪問する。世界中の何の罪もない子どもたちが戦争に巻き込まれているこの状況をしっかり知ること、そして動くこと。それが大人の役割だと思う。私にできることは何か。



⑨池谷孝司, 真下周 『死刑でいいです ー 孤立が生んだ二つの殺人』

死刑でいいです―孤立が生んだ二つの殺人 (新潮文庫)

死刑でいいです―孤立が生んだ二つの殺人 (新潮文庫)

 「私は生まれてくるべきではなかった」。そう言い残して2009年夏、25歳の若者は死刑になった。16歳で母親を殺害し、少年院を出た後、再び大阪で姉妹刺殺事件を犯した山地悠紀夫元死刑囚のルポルタージュ。「反省はしないが、死刑にしてくれていい。」と開き直った犯罪者の事件が続いている。最近読んだ本のなかで一番、衝撃を受け、考えさせられた本。「被害者、かわいそう」だけで済ませてはいけない。社会として、この事件をどう受け止めるか。こんな犯罪が起こらないために、国ができることがあるはず、個人ができることがあるはず。



いい本と出合うこと

以上9冊のベスト本でした。9冊目に紹介した『死刑でいいです ー 孤立が生んだ二つの殺人』が特に自分の中では考えさせられるものがあり、1冊目に紹介した高村薫『冷血』も似たような問題意識をもって(反省なき犯罪、命の軽さ)描かれているので、そのような社会の在り方の問題を考えさせられる機会にもなった。これに対しては、いろんなアプローチの仕方があると思う。それが心理面で何かをすることだったり、教育だったり。そういう意味で、すべての本は繋がっているように感じた。

いい本に出会うということは、自分の世界を広げ、よりよく生きることだと思う。2013年に読んだ「いい本」たちが「ちっぽけな私」を癒し、時には叱咤激励して、よりよく、より誠実に生きる道を照らしてくれているような気がする。
2014年、更にいい本に出会うために読みまくるぞー!目指せ、100冊!



過去のベスト本記事まとめ(整理しなおしているところはリンク切ってます)

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